「I’m Japanese!!」
海外の方とコミュニケーションを取っていると、
それぞれの違いを感じて、不思議だったり、面白かったりします。
日本に生まれ日本で生活していると、海外の方と頻繁に接する機会がない限り、
日本文化や、日本人ならではのアイデンティティーを知る、気づく機会に出くわすことはそうそうありません。
私の中で長い期間、地道に密かなブームになっている「雅楽」
現代音楽の類として聴いてみても、かなり素晴らしいし、なにより気持ちいい音楽です。
雅楽のことを少しずつ知っていくことで、私たち日本人が古来から備えていた美的感覚や精神の柔軟性を教わりました。
サッと読むための見出し
雅楽ってどんな音楽?
雅楽は、神楽など日本古来から存在した音楽と、
5世紀頃に古代アジア大陸から中国や朝鮮半島を経て、日本にやってきた音楽が融合してうまれた音楽です。
大まかな完成は10世紀頃とされていて、現在1000年以上の歴史を持つ、日本最古の古典音楽になります。
雅楽の中でも「宮内庁式部職学部」と呼ばれる、
古代から皇室からの庇護の下、伝承されてきた楽師たちによる雅楽の演奏は、
1955年に国の重要無形文化遺産に指定され、
演奏者の楽師は国の重要無形文化保持者に認定されています。
2009年にユネスコから無形文化遺産として登録されたことから、
国内外問わず歴史的、芸術的に評価されている、世界的価値をもつ日本の古典音楽と呼べます。
呼吸で合わせる
同じ呼吸をすれば、同じ演奏ができる
何分の何拍子というようなテンポの概念が雅楽には存在しません。
私たちが普段慣れしたんで聴いている音楽は、
西洋音楽をベースにした音楽がほとんどだと思います。
クラシック音楽を思い出せば、大勢で演奏するオーケストラには必ず指揮者がいますが、
雅楽には指揮者がいません。
指揮者無しにリズムやテンポがズレないのは、古代日本の息の文化からの発想でしょう。
呼吸で拍子を取ります。
「せーの!」で間を合わせることができる日本人ならでは、な発想ですね。
日本の「息の文化」については、以前の記事を参考に読んでもらえると嬉しいです。
[https://kubalu.com/so-deep-breathing/]宮内庁式部職楽部を聴いてみたい
宮内庁式部職楽部は、毎年春秋2回に皇居内の学部で演奏会を3日間開催しています。
春の演奏会は、文化団体や在日外交団に向けて開催されているようなので
そういったコネクションのある方と繋がりが無い場合、参加することが難しそうですが、
秋の演奏会は、一般申込者に向けて開催されています。
今年は10月23日から25日までの3日間、昼と夜の部で合計6回公演のようです。
応募方法は往復はがきのみです。
はがき一枚に対して応募人数は一人のみと、ペアや団体での応募が禁止されています。
今の時代にしてはかなり優しく無い方法と言えますが、
それでも高倍率の中、宮内庁式部職楽部の演奏を生で楽しむためと考えたらしょうがないです。
他にも、年1回程度、国立劇場で公演を開催しています。
興味を持ったこの機会に応募して、本物を生で聴いてみたいですね。
まとめ:雅楽から日本人を知る
雅楽は、幻想的で、とても優美な味わいを持つ、古くから変わらない日本の美を目と耳で感じれる音楽です。
グローバル化が盛んに叫ばれている現代だからこそ、
日本人としてのローカライズされた感性や精神性、もともと備えていたアイデンティティーを理解して、
参考にさせていただいたサイト
宮内庁HP「雅楽」
宮内庁式部職楽部HP