【音楽の著作権とダンス問題】ダンサーが権利を主張するために必要なこと

東京五輪エンブレムでの佐野さんのデザインパクリ問題が話題になったり、著作権の問題をきちんとクリアしないといけないことを、ブログを始めてからつくづく感じます。

先日、原点回帰的に往年のHIPHOPをサンプリングしまくった、めちゃ踊れるBlack Eyed Peas – Yesterdayのオマージュで作られたBeat Buddy Boiの映像作品Yesterday TributeがBeat Buddy Boiオフィシャルアカウントから映像公開されてすぐに削除されました。

Yesterday Tributeは、サンプリングしていた元ネタの曲を使って、Black Eyed Peas – YesterdayのMVの世界観で作られた映像作品でした。

プロモーション戦略や映像作品のコンセプトとしても、ありそうでなかったポイントを突いていて「面白いなー」と思った矢先に削除。

Beat Buddy BoiはSony Musicからメジャーデビューした人たちだから、音源の著作権まわりの問題で削除したんだろうなと想像してました。

ダンサーが踊る映像作品をどれだけ作り込んで素晴らしい作品に仕上げても、既成の音楽を無断使用して映像化している限り、動画コンテンツとしてアウトな問題は、今までも、これからも、ダンサーが有名になればなるほど浮上してくるでしょう。

ダンサーがダンサーのまま、アーティストとして生活していけるようになるためには、どうにかクリアしないといけない問題です。

Beat Buddy Boi – Yesterday tributeも多分アウト

Beat buddy Boi – Yesterday tribute削除については、ダンサー兼ダンスの会社Anomary.inc社長カリスマカンタローくんがFacebookに投稿していた文章を読んで、勝手に察しました。

動画コンテンツ争奪戦が起きてるが、この戦いにもやはりダンスコンテンツは参入出来ない。
それはダンスコンテンツそのものが権利処理が出来ないものばかりだから。
好きな音で踊りたいから関係ない?
でもそれだとダンサーの権利は主張出来ないままなんだよね。
誰もここで戦う人がいなかったから、ダンサーはどれだけ自分を磨いても、好きな音で踊るだけでは権利を持てず次のステージにいけなかった。
俺はダンサーの踊ってる動画がちゃんと、ダンサー自身の権利になれるようにしたい‼︎
例えば、仲間であるDJ達も自分で曲を作りダンサーも自分でオリジナルを作れるようになってきたではないか。
そして、タッグを組めるダンサーをリスペクトしてりアーティストも増えてきたではないか。
あらゆる動画コンテンツにおいて重要な音楽の権利について、ダンサーもダンス界も挑戦しなければならない大事な成長期に来ていることをシーン、ダンサー自体ももっと真剣に考えるべきだと主張したい。
そのこと自体がまた新しい文化を形成することが出来るから。

出典:カリスマカンタロー(Facebookより)

東京っていう日本の芸能ビジネスの中心地で頑張り続けているカリスマカンタローくんが言うんだから、ビジネスとして見たときにアウトだったんでしょうね。

音楽の著作権とダンスの問題

音楽の著作権とダンスの問題は、動画コンテンツの場合だと、もう直面している問題だから考えやすいけれど、舞台公演で使用する音源も同じです。

特にここ3年くらいの間で、ストリートダンス畑のダンサーも舞台公演を行うことが特別なことではなくなってきました。

アングラな感じでやる分にはグレーな部分のままでも気にならないかもしれない。でも、大きな舞台、公演のフィールドをこれから拡げようと考えると音楽の著作権の問題はクリアにしていかないといけません。

ダンサーの振付や作品にも著作権はある

ダンサーの振付や作品にだって、実は著作権が発生しています。

でも、他のアーティストが作った神輿の上で踊っているパターンが現状大半だから、ダンサーが主張すべき権利も持てず、四の五の口を尖らすこともできません。

逆も然り、「この動き・ステップは俺が作り出したものだ!使いたいなら著作権料を払え!」みたいなことを言うダンサーに出会ったことがありません。

そもそもそんなこと言うダンサーがいたら、そのダンサー自体ナンセンスな人に思いますが、そんなこと気にしないのがダンサーという人種なのかもしれませんね。

ダンサーが権利を主張するために必要なこと

近年はAbelton LiveなどのDTMソフトも沢山あって、その気になればクオリティーの話は抜きにして、自分で音源を自作することができます。

そして、音楽を作り出すミュージシャンの人たちも、自分たちの奏でる音をヴィジュアルで表現してくれるダンサーを結構求めてくれていて、相思相愛な関係を作れるアーティストと出会うことで総合的に創作していくことだって可能になります。

ダンサーは踊っている時が一番幸せだけれど、ネクストステップへ踏み出すためにも色々とダンスを踊る以外にもできないといけないことがあります。

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